ロト6で2.8億円を当てた外国籍男性(不法滞在中)

⇒ 知人に代理受け取りを依頼するも…

2018年に起こった実話で、昨年2020年7月に裁判となった珍妙なお話。

2018年6月、とある外国籍男性Aが「ロト6」の1等当せんを果たした。
しかし、Aには素直に喜べない事情があった。

なんとAは、20年以上前に来日したものの在留期間が過ぎたあともずっと日本に滞在、いわゆる不法滞在だったのだ。

彼にとって1等約3億円は巨万の富そのものであり、彼や家族の人生が一変する金額だ。もちろん、一般的な日本人にとっても実際に当せんしたとなれば冷静を保てない衝撃を受ける金額である。
この約3億円が、Aを悩ませることになった。

不法滞在がバレるのが怖くい

当せん番号の発表から1年間の換金期限が迫るなか、Aは不法滞在が明るみに出ることを恐れて名乗り出ることも出来なかった。

換金期限ギリギリの2019年6月、Aは遂に行動に出た。
来日以来、長い付き合いとなった日系人男性Bに事態を打ち明けた。

自分の代わりに当せん金を受け取ってほしい

Bは在留カードを所持し、銀行口座を作ることが許されている。それゆえ、当せん金を受け取ることが出来るという公算だ。

これを快諾したBは、Aに手渡されたロト6の当たりくじを携えて銀行を訪れ、手続きを済ませた。

大きな問題もなく、2週間程度でBの口座に当せん金の約3億円が振り込まれた、という事だった。

これで全て上手くいく。

しかし、そんな都合の良い話はあり得ず、夢物語になる。

Bは銀行に怪しまれないよう数千万円を小分けに引き出し、合計約5000万円をAに渡した。

しかしその後、何かと理由をつけて残金を渡すのを渋るようになった。後に分かった事だが、この時点でBは3億のうちの多くを浪費していた。

Bに当せん金を浪費され気が気でないAが次に頼ったのは、Aの同郷の女性Cだった。

当せん金受け取りから半年ほど経ち「大金を下ろすと銀行に目をつけられる」などと言っては当せん金を引き出そうとしないBに、Aは「Cは妹のような存在。彼女と一緒に僕のお金を下ろしてきて」と迫った。
Bも渋々同意し、Cと一緒に当せん金を引き出した。

しかし、事態はさらに複雑になっていく

今度はCが当せん金を使い始めたというのだ。

CはBを取り込んで、Bの口座から下ろした当せん金を次々とCの口座に入金させた。

そして1億円以上の大金を得たCは、AやBに告げることなく母国に移住してしまったのだった。

不法滞在という弱みを抱えていたAだが、さすがにCの移住を見逃すことはできず、弁護士に相談。
そして損害賠償を求めてこの件に関わる人物たちを相手取り民事提訴。さらに横領罪で刑事告訴した。

外国籍男性Aは逮捕され入管に…

提訴により財産を差し押さえられたBからは、1億円近いカネを回収できたようだが、Cに渡った金は未回収のまま。
もちろん、訴訟を起こした直後に不法滞在が明るみに出たAは3月に入国管理局に逮捕された。

裁判とは言え、母国に移住した女性Cの出廷は無く、実際に財産を差し押さえて失った当せん金を回収することは難しい。

お金を手にすると人は変わってしまう。

今の生活を変えたい、そう思ってやっとの想いでお金を手にすると、生活ではなく人自体が変わってしまうとは、何とも皮肉なものだ。

なお、昨年の第1回口頭弁論の際に明るみになったが、母国に移住した女性CはSNS上で豪遊ぶりを連日投稿していたようだ。。。

引用サイト
https://www.news-postseven.com/archives/20200802_1583234.html?DETAIL