宝くじの収益金はどこに支払われて、どのように使われているか知っていますか。
宝くじの知名度や、これまでに購入したことのある人口はかなり高くなっています。
収益金の用途に関しては公にされているにも関わらず、どのように使われているか知っている人は多くありません。
宝くじは法律に則って行われますが、どのような過程で合法化されるのでしょうか。
これらの過程を知ることで、宝くじへの誤解や知らなかった事実を知ることが出来ます。
年末ジャンボなど毎年恒例となっている、規模の大きな宝くじは知名度も多く、テレビなどで購入のための長蛇の列はすでに風物詩となっています。
そんな宝くじは皆さんにもなじみの深いものになっていることでしょう。
意外と知られていませんがすべての宝くじの販売元は地方自治体です。
つまり宝くじは地方自治体が運営しているのです。
宣伝や販売などを行っているのはみずほ銀行。
抽選会を仕切っているのもみずほ銀行なので、収益がみずほ銀行に入っていると考えている人も多くいるでしょう。
しかし、みずほ銀行が受け取れる収益は委託された業務を担った手数料だけなのです。
宝くじの存在を知っている人は多くいるでしょうが、その歴史を知っている人は少ないのが現状です。
現在でも人気があるこの宝くじという「商品」が開発されたのは江戸時代になります。
当時はそれぞれの地方にあったお寺や神社の建て直しは、それぞれの地方や村が行っていました。
この小さな村で開発された「商品」が人々に人気を博し高額な収益を得られるようになります。
しかしこの後、時の政府によって禁止されることになってしまいます。
戦時中に資金を集めるため、政府主導で再び解禁されます。
しかしこの時の「宝くじ」(当時は勝札と呼ばれていた)は抽選会の前に終戦してしまいました。
資金調達の意図はなくなりましたが抽選会は8月25日に行われています。
現在のような宝くじが始まったのは昭和20年。
当時は政府主導で行っていましたが、その後すべての販売などの運用を政府から地方に移しました。
戦争が終わった現在では、震災などの復興にも利用されるようになりました。
宝くじの種類も数字選択式やスクラッチ式なども増えて、キャリアオーバー制も導入されています。
また、宝くじに対する法改正もあり当選賞金も増加していっています。
宝くじは始まった時の地方公共事業を担うという理念を保存しながら、進化し続けているのです。
地方自治体から業務委託をされたみずほ銀行は宝くじの広告宣伝と抽選・当選金の支払いから、券の図柄設定や売りさばきまでを担っています。
つまり宝くじは地方自治体とみずほ銀行が連携して行っているイベントなのです。
収益金はすべて販売元である地方自治体が得ます。
その中から、業務を担ってくれたみずほ銀行に手数料が支払われるという仕組みになっているのです。
宝くじの販売は人気が低迷してきたと言われていますが、1兆円に近い売上金となっています。
そのため、少ない割合だったとしても多額のお金が動きます。
公式な発表でみずほ銀行が受け取る手数料は7%と言われています。
売り上げの総額が8,000億円だとすると560億円がみずほ銀行に入ることになります。
みずほ銀行が行う業務は細かく分けると以下の通りです。
・図柄の選定
・印刷
・売り場への配送
・広告宣伝
・売りさばき
・抽選と当選番号の発表
・当選金の支払い
みずほ銀行は地方自治体と協力し、宝くじ券の図柄を決定します。
その後、販売枚数に応じて印刷していきます。
ジャンボ宝くじなどは販売枚数が制限されていないため、ニーズに応じて印刷枚数を増やしていきます。
販売窓口は全国各地にあるため、宝くじを輸送しなければいけませんし印刷した券を売りさばかなければなりません。
また、抽選会を担っているのもみずほ銀行です。
抽選会が終われば、当選した人へ当選金を振り込まなければいけません。
すべてのお金を総合して売り上げの報告を行い、収益金を地方自治体まで納金します。
これらすべての業務をみずほ銀行が担っているのです。
地方自治体が宝くじの販売をする場合は、総務省に届け出を提出する必要があります。
総務省からの販売許可が出ると、正式に販売が法的に認められることになります。
この手続きを経て宝くじは国に認められた公営ギャンブルとなるのです。
日本国内にいるすべての人が安心して宝くじを購入することが出来ます。
先述した通り、地方自治体は宝くじの販売許可の申請を総務省に行っています。
この許可がおりなければ、当然のことながら販売が許されません。
この規定は法律187条によって固く守られています。
宝くじのような商品は大きな収益金が期待できるため、許可なく販売する人や業者もいます。
しかし、この行為は法律違反となるため厳重に罰せられてしまいます。
購入者も罰せられる可能性があるので、きちんとした宝くじを購入するように気をつけましょう。
地方自治体は議会内で宝くじの販売企画を通す必要があります。
企画の意図と販売で見込める売上金、収益によって担える公共事業などまでが議題となります。
ここで企画が認められなければ、宝くじの販売は出来ません。
企画の段階で収益金と用途までがすでに決定しているのです。
企画と販売元は地方自治体となりますが、宝くじ券の販売業部や当選金の振り込みなどを担っているのはみずほ銀行です。
みずほ銀行ではすべての販売総額から経費と当選金の総額を引いた報告書を提出します。
さらに、ストックしていた当選金も操船者が名乗り出ない場合があります。
この場合、規定されている手続きの期間内に誰も名乗り出ない場合は時効となります。
当選者が現れなかった当選金は収益金として地方自治体に支払われます。
地方自治体はその収益金を利用してそれぞれの公共事業を担うことになるのです。
ここまでは、宝くじの企画提案から収益が地方自治体に納められるまでの家庭や仕組みを説明してきました。
それでは実際に地方自治体が受け取る収益はどのくらいになるのでしょうか。
宝くじの公式ホームページによると、地方自治体が受け取る収益の割合は販売総額の40%ほどということです。
仮に販売総額が8,000億円とすると、収益金は3,200億円となります。
販売額が多ければ受け取れる金額は大きくなります。
時効が成立して支払われなかった当選金も地方自治体が受け取りますが、こちらに関しては前もって計算されたものではありません。
残りの4,800億円が印刷代や広告宣伝費、みずほ銀行の手数料などに使用されます。
地方自治体が得た収益はすべて公共事業に使用されます。
宝くじによって地方の活性化が促進されるのです。
したがって、胴元が儲かるようになっているギャンブルとは趣が異なります。
また、宝くじ事態の販売量もかなり多く、少なからず経済効果がみとめられます。
宝くじはその歴史的な理念が保存されているように、社会貢献の一つなのです。
宝くじを購入して、社会への貢献をしながら抽選会を楽しみましょう。